◇◆ 【 第二部 】ミニシンポジウム ◆◇
「DTCを企画するプロマネにとって大事なことは」というテーマについて、古川隆氏(ABC)が座長となり、シンポジストに堀川浩司氏(ポーラファルマ)、阿曽利行氏(MSD)、高橋義宣氏(ノーベルファーマ)の三名を迎えてシンポジウムが展開された。
予め用意された三つの質問についてシンポジストからの発言と会場からの質問と回答という形式で行われた。以下三つの質問に関して概説する。
(1)「DTCを始める際にまずしなければならないことは?」
ターゲットとなる患者のインサイト調査の必要性が全員からあげられた。
加えてMRに対してDTCを実施する大義をきちんと教育することや受け入れる医療機関への用意周到な情報提供、ROIを事後に検討するための検証数値の設定などが述べられた。
(2)「社内の関連部署との連携は?」
関連する部門との価値観の共有、担当者の熱意による関連部門の巻き込み、トップとも交渉するくらいの粘り強さなどが挙げられた。全員がDTCを推進する担当者の覚悟と決意がなければ、プロジェクトはうまく進んでいかないということで一致した。
(3)「協力会社の選定について」
この質問については、三名とも自身の経験をもとに実践的なそして辛口な発言が目立った。協力会社はブランドだけで選ばないこと、分相応なパートナーを持つこと、任せきりにしないで製薬企業も深く関与すること、能力不足なスタッフはすぐに交代してもらうように交渉することなどがあげられた。三名とも強調をしたのは、きちんと医療や医薬品のことを勉強する気がない協力会社は結果としてよい仕事につながらないということだった。